消費者の購買心理や体感物価を捉える新たな指標を開発(経済産業省)

2020年1月8日21:10

経済産業省は、民間企業が保有するPOSデータによる商品別販売動向から消費者の購買心理や体感物価などを捉える新たな指標を産学官連携の下、共同開発し、試験公表すると発表した。

同指標は、既存の政府統計では捉えることのできない消費者のプレミアム志向の強さや日々体感する物価を捉えることができ、メーカーが価格設定を検討したり、小売店舗が取扱商品を検討したりする際の参考情報となることが期待されるとしている。

政府が現在進めている統計改革において、早期かつ精緻な景気動向把握や報告者負担の軽減等を実現するための手段の1つとして、POSデータなどを始めとした新たなデータ源の活用の取組を進めることとなっている。

経済産業省は、民間企業が保有する個人情報とは紐付かないPOSデータなどのビッグデータを利活用して、既存の政府統計の補完、拡充、詳細化を実現し、従来よりも速報性に優れた指標を開発するとともに、既存の政府統計、業界統計等を整理し、ダッシュボード化することで、短期的な販売・生産動向を明らかにするための実証事業を行っている。

同事業において、野村證券金融工学研究センター、独立行政法人経済産業研究所小西葉子上席研究員の協力の下、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター、ドラッグストアの各小売業態の商品別販売動向から、消費者のプレミアム志向の強さや日々体感する物価などを捉える新たな指標を開発し、経済産業省のホームページ内に開設した『BigData-STATSダッシュボード(β版)』で公開を開始した。

METI×NOMURA コンシューマーセンチメント・インデックス(「消費者心理指標」)

1)POS-プレミアム志向インデックス(「プチ贅沢指標」)
同一の商品分野における高級品と買得品の販売動向から、消費者がプレミアム商品を志向する度合いを測る指標
2)POS-コンビニエンス志向インデックス(「利便性指標」)
価格設定の異なる小売業態の販売動向から、消費者が利便性を重視する度合いを測る指標
3)POS-生活体感物価インデックス
頻繁に購入される商品の物価動向から、消費者が日々体感する物価を測る指標
4)CPIナウキャスト(「消費者物価予測指標」)
マクロ指標及び生鮮卸売価格を利用して「消費者物価指数(CPI)」を予測する指標

図1 BigData-STATSダッシュボード(β版)(経済産業省)
図2 POS-プレミアム志向インデックス(経済産業省)

なお、同ダッシュボードについては、既存の政府統計等も整理して掲載するなど、今後、実証事業の進捗に沿って順次改善を図っていく予定だ。また、現在公開している各種指標については、当省における民間データなどの活用について試行的に検討を行っているものであり、今後さらに検討を重ねていくことを想定しているという。

New Retail Navi編集部

New Retail Navi編集部

流通やコマース動向、テクノロジーやマーケティングの最新動向を紹介しています。

関連記事

最新情報

PAGE TOP