セブン-イレブンが研究を行う「レジ無しデジタル店舗」、次世代の購買体験・店舗運営とは?

2019年10月29日10:00

セブン‐イレブン・ジャパンは、NTTデータのデザインスタジオ「AQUAIR」内の実験店舗「レジ無しデジタル店舗」を活用し、次世代の購買体験・店舗運営における課題抽出や、アイデア創出を目的とした取り組みを、2019年10月17日より開始すると発表した。実際に記者が同店舗を体験する機会を得たので概要を紹介したい。

「レジ無しデジタル店舗(セブン-イレブン)

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「レジ無しデジタル店舗出店サービス」は、クレジットカード等の決済手段を指定したQRコードで認証・入店することで、店舗内で手に取った商品をそのまま持ち帰ることができ、退店後に自動で決済されるサービスだ。商品は何個手にとっても識別可能だ。また、利用者は、欲しい商品をポケットやかばんなどに入れて、持ち帰ることも可能だ。退店後は、スマートフォンで購入した商品を確認できるため、家計簿代わりとしても活用できる。

店舗の入りぐ日はゲートを設置し、スマホのQRコードをかざすと入店できる
退店後は商品を確認できる

店内の天井には約40台のカメラを設置して、識別に活用する。また、商品の棚が天秤になっており、フックの棚にも重量センサーが付いているのも特徴だ。カメラの画像認識と重量認識により商品を識別し、自動で会計が行われる。

棚には重量センサーを装備

NTTデータでは、レジ無しデジタル店舗のビジネス拡大に向けて、3段階で展開を進めているという。まず1つが、同実験店舗で消費者や従業員の体験をしてもらうことで、業務オペレーションや店舗収支を推測したビジネスプランの仮説を作成していくことだ。2つめとして、レジ無しデジタル店舗における仮説検証を行い、多店舗展開等に向けた課題を洗い出しを行う。そして、3つめは、多店舗展開するための企画・業務オペレーション、システムインフラなどを提供するという。

なお、画像認識や重量認識のアルゴリズムは、中国のCloudPick(クラウドピック)の技術を使用している。米国の「Amazon Go」とは、消費者体験は似ているが、認識のアルゴリズムは細部で異なっているそうだ。CloudPickは、NTTデータ開催のオープンイノベーションコンテストの中国大会で優勝した企業となり、すでに中国で30~40店舗展開している。また、コスト低減、消費者の利便性向上に向けて、サービスの進化を進めている。

NTTデータでは、「レジ無しデジタル店舗」において、完全無人を目指しているわけではないとした。当然、店舗では品出しが必要であり、また、おにぎりや生鮮食品、ビールやたばこなど対面での販売が必要な商品も存在する。そのため、如何にレジ業務や作業を効率化できるかが重要になるとした。まずは日本での展開が中心となるが、海外での展開も見据える。当面の目標として、コンビニエンスストアなどの流通店舗と協力し、2022年末までに1,000店舗出店を掲げている。

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New Retail Navi編集部

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