小売に特化した「リテールAIカメラ」を導入する狙いとは?(トライアルホールディングス)

2019年8月26日13:00

ディスカウントスーパー「TRIAL」を運営するトライアルホールディングスは、Retail AIを設立して、店舗の変革に取り組んでいる。同社では、4月19日にフラッグシップ店舗である「メガセンタートライアル新宮店」をスマートストアにリニューアルオープンし、小売に特化した「リテールAIカメラ」を1,500台を導入した。

Retail AI 取締役 CTO 松下 伸行氏

トライアルでは、トライアルカンパニーは、パナソニック、および日本電子決済推進機構との連携により実現した、スマートストア「トライアル Quick 大野城店」を2018年12月13日にグランドオープンした。同店舗では、パナソニックとの連携により、既存の冷凍冷蔵ショーケースに対しリテールAIソリューションを日本で初めて実装。また、日本初夜間無人店舗として営業している。さらに、日本電子決済推進機構が運営するJ-Debitサービスを活用することにより、トライアルの専用プリペイドカードチャージ機で金融機関のキャッシュカードを利用して、銀行口座から直接チャージできるようにしている。

同社では、2018年11月1日にRetail AIを設立した。これにより、リテールAIカメラをりようして店内・棚前の顧客の買物行動の分析、棚の監視、タブレットカートやサイネージと連動したショッパーマーケティングの展開などを行っている。

新たにオープンした「メガセンタートライアル新宮店」では、自社で開発したAIカメラを1,500台活用している。カメラは中国・深圳において、リテールに特化したカメラを安価に開発している。AIカメラを設置する高さは値札と同じに合わせている。棚の真ん中につけた棚が向かいの棚を撮影することで、商品が何個あるかを識別可能だ。

また、棚の前を何人通過しているのか、欠品がどの程度あるかをカメラで判別できる。カメラは、1,300万画素となり、Androidにも対応。また、電波環境に合わせてWi-Fi、Bluetooth、有線LANでネットワーク接続可能で、HDMI、USBも対応している。

さらに、HDMIを利用してテレビに接続ができ、利用者の状況に応じてサイネージ広告を流すことが可能となっている。また、利用者に応じてサイネージをレコメンドできることが売りとなり、例えば、棚の前でどの商品を購入するか悩んでいる人には単品商品、カートを押している人には箱買いをお勧めするといった活用ができる。トライアルでは、メーカーや小売などと連携して、マーケティングへの活用を目指す。

リテールAIカメラは、今年中には3万台の生産を予定している。まずは福岡、佐賀の店舗から設置をスタートし、順次グループのすべての店舗、トライアル以外の小売店舗での展開を目指している。

New Retail Navi編集部

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