NTT Comの新サービス投入で注目の外貨決済サービス、DCCやMCPの概要は?

2019年11月19日21:15

日本にいながら、現地通貨で支払いができる多通貨決済(外貨決済サービス)。NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、レート保証型外国為替情報と取引情報のデータ流通サービス「Home Currency Anywhere(HCA)」を、2019年11月下旬から提供開始した。同社では、従来のDCC(ダイナミック・カレンシー・コンバージョン)やMCP(マルチ・カレンシー・プライシング)よりも有効なサービスであると自信を見せている。今回は、DCCやMCPの概要について紹介したい。

DCCは円建てから自国通貨かの選択が可能

外貨決済には、大きく分けてDCCとMCPの2つの方法がある。1つは、DCCだ。たとえば、生活者が海外を旅行時に、DCC に対応したクレジットカード決済端末を使用すると、円建て決済か自国通貨決済のうち、どちらかを選択できる。

DCCでは、店舗での販売時に為替手数料や上乗せされたマークアップ手数料を同時に計算し、当日の為替レートを使って外貨を別々に表示させる仕組みだ。また、エクスチェンジレート(為替手数料)も表示する必要があるが、利用者はこれを見て外貨か日本円かを選択可能だ。

DCCは現在、日本でも日によって価格が変動するホテルなどで採用されている。これにより、ビジネス等の出張者は請求金額を早期に知ることができる。また、日時により料金が変更される旅行や航空チケットなどは、DCCが有効となっており、導入しているサイトも増えている。

予め外貨通貨の販売額を定めることができるMCP

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一方、MCPは、予め外貨通貨の販売額を定めることができるサービスだ。DCCは円と外国通貨、その時の為替手数料、エクスチェンジレートを表示させる国際ブランドの取り決めがある。その点、MCPは外国通貨のみを表示可能だ。MCPは料金が固定されているため、デジタルコンテンツや通販といったeコマースサービスに有効となっている。

為替手数料や上乗せ手数料をMCPはECサイト、DCCはユーザーが負担

なお、為替手数料や上乗せ手数料に関しては、MCPはECサイトが負担する仕組みだが、DCCはユーザーが負担する点が大きな違いだ。今回のNTT Comの仕組みでもDCC同様にユーザーが負担する。

NTT Comでは、DCCやMCPは導入先が限られており、勝算はあると自信を見せている。HCAのサービスを利用することで、店舗側は外国為替手数料を含んだ当該日のレートでの最終支払価格を、外国人買い物客が慣れ親しんだ自国通貨で表示できる(DCCは選択制)。また、エンドユーザーは慣れ親しんだ自国通貨での最終支払金額を把握したうえで、為替変動で想定外の金額に膨れ上がるリスクを心配することなく、日本での買い物体験ができるとしている。同社のビジネスの成否に注目が集まりそうだ。

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New Retail Navi編集部

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