出前館の株式取得、総合フードマーケティングプラットフォーム」構築へ(LINE)

2020年3月31日18:15

LINEは、2020年3月26日開催の取締役会において、デリバリーサービス「出前館」を運営する出前館と資本業務提携を締結し、出前館が実施する第三者割当により発行される新株式を引き受けることを決議した。

なお、同資本業務提携は、出前館が第三者割当増資として新たに発行する約300億円の新株式を、LINEが150億円、LINEとその親会社であるNAVER Corporationの子会社であるNAVER J. Hub 株式会社が共同で出資する未来Fund有限責任事業組合が150億円を、それぞれ引き受けるもので、増資引受け後、出前館に対する株式保有比率は、LINEが35.87%、未来fundが25.05%となる想定だ。

出前館は、年間オーダー数3,000万件以上、加盟店舗数も2万1,450店舗以上を有する国内登録店舗数No.1を誇る日本最大級のデリバリーサービスとなる。LINEと出前館は、2016年5月23日より業務提携を締結しており、「出前館」の運営ノウハウと加盟店基盤、コミュニケーションプラットフォームとしての「LINE」のアクティブ率の高さを活かしたデリバリーサービス「LINEデリマ」を2017年7月26日より運営、LINE公式アカウントの友だち数も2,700万人を超えるなど、ユーザーと店舗との新たな出会いを創出してきた。

一方、飲食業界をとりまく環境は、日々大きく変化しており、フードデリバリーにおいては、グローバルでも注目を集めるビジネス領域として成長している。特に、配達パートナーシステムで、飲食店がデリバリーシステムを構築しなくても、包装容器を用意するだけで、すぐにデリバリーを開始できる新興モデルが、従来の加盟店舗拡大モデルを遥かに超えるスピードで拡大しており、急激に対応店舗数を増やしている。

また、昨今、テイクアウト、モバイルオーダーなどフードデリバリ―プラットフォーム以外のビジネスも著しく成長している。LINEでは、「LINEデリマ」以外にも、2019年4月18日よりテイクアウトサービス「LINEポケオ」を展開している。

この様な状況下において、LINEと出前館は、同資本業務提携により、「サービスブランドの統一」、「投資資金の確保」、「システム開発およびマーケティング体制の強化」、「テイクアウト領域への進出」の4つを強化していく方針だ。

まず、これまで双方で展開していたフードデリバリーサービスを「出前館」に統一、LINEからエンジニアを派遣し、技術体制を強化し、「出前館」のシステム強化を図る。また、人材の面においても大胆な投資を行い、組織および競争力の強化を図り成長スピードを加速させていく。さらに、将来的には、出前館IDとLINE IDを統合し、国内月間利用者数8,300万人を超えるLINEのコミュニケーション基盤やLINEの強みである、「IDマーケティング」、「位置情報」、AI技術の活用と出前館の加盟店営業力を活かし、デリバリーだけでなく、テイクアウト、イートイン予約、モバイルオーダー、クラウドキッチンなど、飲食店のサービスを網羅的にカバーする「総合フードマーケティングプラットフォーム」を目指すという。

New Retail Navi編集部

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