XTech Ventures・ディップより総額1.9億円の資金調達 (コグニティ)

2020年1月16日8:12

コミュニケーションのAI解析技術を持つコグニティは、営業トークの解析・フィードバックを行い企業の業績向上やボトムアップの実現に向けたサービス「UpSighter(アップ・サイター)」の事業拡大のため、XTech Venturesが運営するXTech1号投資事業有限責任組合、ディップを引受先とする第三者割当増資をシリーズBラウンドとして実施した。同ラウンドにより資金調達累計額は5億円となった。

「UpSighter(アップ・サイター)」(コグニティ)

UpSighterは、営業トークやロープレの録音データをアップロードするとトーク内容を自動解析し、業績上位者とのトーク内容の比較を行い具体的な改善点をAIが提示するサービスとなる。UpSighterを導入した企業は営業部門の業績向上や底上げが見込め、これまでパーソルテンプスタッフやフォーバルなど上場企業を中心に120社以上に導入されている。

経験値に頼った教育・研修による「指導の属人化」や、エースの時間が教育に割かれることによる「時間・体力消耗」という課題は、営業部門を抱える企業にとっての共通課題だった。

UpSighterは、専用アプリなどで録音・アップロードされた営業成績等の業績上位者のトークを自動解析し、模範となるトークのパターンを検出する。“キャラ売り”や“雰囲気の良さ”で好成績な人と、誰もが改善できる情報構成のパターンを見分けることができるため、改善効果の高い指導方針を提示することが可能だという。また、検出されたトークパターンを使ってアルゴリズムを開発し、AIによって業績上位者とのトーク差分が明示された「自動フィードバックレポート」を一人ひとりの従業員に提供する。

業績上位者と比較した自分のトークスキルを定量的に把握できるだけでなく、理由づけやデータ・事実情報の提示不足など具体的な改善点が提供できるため、口頭で指導するだけよりも研修への納得感が高く、新人の営業成績の改善が早いといった評価や、成績の伸び悩むシニア従業員への指導が楽になったとの評価を得ているそうだ。また、新人に向けた指導結果として、電話でのアポイントメント獲得率が64%から78%に上昇したという実績もある。

同社では、今回の資金調達により、業界平均値等との比較を可能とするアルゴリズムを開発することで、大企業だけでなく中小企業や部署単位でも初期開発費用無しで使える、より裾野の広いサービス展開を行う。主に地銀などを対象とした金融業界向けサービス「UpSighter for Finance(アップ・サイター フォー ファイナンス)」や、 個人利用も可能なプレゼン・ピッチ解析SaaS「UpSighter for プレゼン!」をはじめとしたUpSighterシリーズの拡販、新たなUpSighterシリーズの開発を予定している。

またコグニティはUpSighterをOEM提供しており、すでにコンサルティングやソリューション企業5社がOEM活用した商品化を実現している。UpSighterは、1on1 Meeting、 採用面談、昇進試験など「人事領域」での利用も増えており、今後もこれまで蓄積したデータを活用して、各事業領域のパートナー企業との協業も含め、マーケットニーズに合わせたサービスを展開していく。

New Retail Navi編集部

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