2019年12月9日19:10
パナソニックは、コーセーと連携し、2019年12月17日にオープンする「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」に、パナソニックが開発している「Snow Beauty Mirror(スノービューティーミラー)」を導入し、共同で実証実験を行うと発表した。同取り組みを通し、顧客の多様なニーズに応える新しいパーソナライズ提案を目指す。
コーセーの体験型新コンセプトストア「Maison KOSÉ」において、「スノービューティーミラー」を活用することでパーソナライズ提案を実現している。また、その1つとして、パナソニックが開発中の「メイクアップシート」技術を応用した「カスタマイズシート(仮称)」も体験できる。
同実証実験では、鏡の前に座るだけで、顧客の肌状態を分析し、瞬時に数値化し表示する。鏡の中に埋め込まれた非接触センサーが、肌表面と表面下の状態を検出。医療機器並の精度で、肌表面のシミ・シワ・ほうれい線・毛穴・肌色だけでなく、目では見えない隠れたシミも検出するとしている。デジタルカウンセリングとその分析結果をもとに、コーセーの展開する複数のブランドを横断した商品やサービスから、一人一人に最適な勧めをリコメンドする。同機能には、デジタルカメラなどで利用される顔認識技術や、画像処理技術などを応用している。
また、コーセーと明治大学との共同研究で開発した遺伝的アルゴリズムにパナソニックの画像処理技術を掛け合わせて、顔の画像から、顧客の心の中にあるなりたい“理想顔”を見える化するシステムを開発した。「スノービューティーミラー」による肌分析機能により、毛穴・シミ・シワといった肌質、肌の色味や明るさを高精度に抽出し、そのデータをパラメータ調整することで、約50万通りの顔画像パターンを作成する。ランダムに表示した顔画像の中から、顧客が好みのものを選択するだけで、“理想顔”を短時間に導き出すことが可能になるという。また、顧客の理想顔と現在の状態の差異を見える化するとともに、理想顔に近づけるため、最適なファンデーションの色味や質感、使用方法の提案につなげていく。
さらに、パナソニックが開発中のメイクアップシートは、スノービューティーミラーで分析した肌色測色結果にあわせ、独自の印刷技術で一人一人の肌に合わせた色味を印刷した超極薄シートとなるとしている。貼るだけで、気になる頬部位・こめかみ部位をカバーすることができるようになる。実証では、同メイクアップシート技術を応用し、パナソニック独自の肌色測色技術および印刷技術と、コーセーの化粧品開発知見との連携により、肌に自然になじむ色味・装着感を実現する「カスタマイズシート(仮称)」を展開するそうだ。