2020年8月4日17:17
アドビは、このほど顧客体験管理(Customer Experience Management、 以下 CXM)のためのプラットフォーム「Adobe Experience Platform」の国内での提供開始を発表した。 Adobe Experience Platformは、顧客プロファイルなど顧客体験管理に必要なデータの統合管理から顧客とのコミュニケーションにつなげるアクティベーションまでを一貫して提供する、データガバナンス機能を搭載した業界初となるCXMプラットフォームであるという。
企業は、アドビの人工知能(AI)とマシンラーニングのフレームワークAdobe Senseiを活用することで、リアルタイムの顧客プロファイル構築を実現するとともに顧客のプライバシーに配慮しながら、パーソナライズされたコンテンツを適切なタイミングで提供することができるようになる。また、これにあわせて、Adobe Experience Platformで稼働するアプリケーションサービス「Real-time CDP」、「Customer Journey Analytics」および「Journey Orchestratio」も提供開始する。
Adobe Experience Platformにより、企業は顧客のプライバシーに配慮しながら、リアルタイムにパーソナライズされた体験を、スケーラビリティを持って提供できるようになるという。
また、任意のデータソースから収集されるデータは、顧客体験管理のために設計されたExperience Data Model(XDM)により標準化され、統合される。データの管理においては、 データガバナンスを実現するDULE(Data Usage Labeling Enforcement)フレームワークにより、顧客データの項目ごとの目的管理と、その目的に沿わない利用制限を行い、プライバシーなどの規制に配慮したデータ利用を実現するそうだ。
さらに、「Real-time CDP」により、データの収集からプロファイルの統合、実際の顧客コミュニケーションに至るまで、顧客とのコミュニケーションをリアルタイムに実現する。連携されたデータは、 Adobe Experience Platformに接続されているさまざまなソリューションにリアルタイムに展開され、 広告やパーソナライゼーションに活用することが可能になる。
また、Adobe Experience Platformに内包されている「Data Science Workspace」機能やAIサービス群「Intelligent Services」を活用することで、 Adobe SenseiのAIとマシンラーニングによる、 統合データの利用、 スコアリングやクラスターデータ等のプロファイルの拡張が可能になる。アドビが提供するAIモデルをチューニングして利用するだけでなく、 PythonやRをはじめとするさまざまな言語を利用しながら、データサイエンティストによる独自のモデルを構築することができるとしている。
AI機能を、 システムに内包することにより、 システム間のバッチ処理をなくして、 プライバシー管理を保ちながらAIを活用できるようになりました。
さらに、Adobe Analyticsの機能を拡張した「Customer Journey Analytics」の活用により、 従来のCDPソリューションでは難しかった、オムニチャネルでのパスやフォールアウトの分析を、Adobe AnalyticsのUIのように視覚的に分析することが可能になる。
また、 「Journey Orchestration」を活用することで、Adobe Experience Platformに統合された全てのチャネルのデータを利用しながら、Adobe Experience CloudのアプリケーションやAPIで接続されたシステムを通じて、 特定のイベントが発生した時のコミュニケーションフローをリアルタイムに実行することが可能になる。これにより、例えば来店した顧客に対して、セグメント別のメッセージをリアルタイムに配信するといった、オムニチャネルでのジャーニー設計が容易になるそうだ。
また、今回の日本展開にあわせて、Adobe Experience Platformの導入を支援するコンサルティングサービスおよびAdobe Digital Learning Servicesによるアプリケーションサービスのトレーニングを提供予定だ。