2019年12月10日7:00
オンキヨーは、ネックスピーカー型デバイスを使って対話の音声を取得してテキスト化するシステムを開発したと発表した。
オンキヨーでは、ウエアラブル端末を使用した、AIアプリケーションを活用できるシステムとして、ネックスピーカー型の音声入力デバイスの開発を進めてきた。ネックスピーカーはハンズフリーで使用でき、耳を塞がないため、周囲の音を聞きながら音声の入力を行うような現場での活用に適しているという。AIの進化により、音声を使ったデータ入力のニーズは今後大きく広がっていくと考えられており、チャットボットとの対話形式で音声入力を行うなど、さまざまな現場での応用が期待されている。
今回開発した対話音声取得システムでは、オンキヨーがAI対応スマートスピーカーの開発で培った音声取得技術を活かし、ネックスピーカーを装着した本人の音声に加え、話し相手の音声も取得して、会話をテキスト化する。
従来の音声取得機器やシステムの多くは装着者の声を取得することはできたが、話し相手の音声を取得するのに適していなかったという。今回開発したシステムでは、装着者の音声に加え、相手の音声を取得するための専用のマイク設計と音声処理を行うことで、装着者と話し相手の両方の音声の取得が可能になっている。
また、複数のネックスピーカーを接続し、各ネックスピーカーで取得した対話音声のテキスト化と同時に、音声と位置情報をサーバーに記録できるため、会話をデータ化して解析などに利用すること可能だ。
例えば複数の場所で話をされている対話データの解析から起きている事象のトレンドを把握したり、対話記録をもとにキーワードなどの紐付を行うことで指導者や熟練者などのナレッジをデータベース化するなどの応用が考えられる。
ウエアラブルでハンズフリー使用ができ、装着者と対話者の音声が取得できる同システムは、農業現場や製造現場での指導記録や作業記録、医療現場、介護現場での対話記録など、 さまざまな分野で活用が可能だとしている。