次世代型スーパーの実験店舗、品切れの自動検知システムやレシピ提案のショッピングカート(神戸物産/ソフトバンク)

2021年6月22日8:00

神戸物産とソフトバンクは、2021年8月にオープンする予定の神戸物産の直営店「業務スーパー天下茶屋駅前店」(大阪市西成区)を、AI(人工知能)などを活用して利用者の満足度向上を実現する次世代型スーパーの実験店舗として構築すると発表した。

「業務スーパー」は、神戸物産がフランチャイズ本部として全国に900店舗以上展開する食品スーパーだ。製販一体体制を構築し、国内外の工場で製造したプライベートブランド商品などをベストプライスで販売している。2000年に第1号店をオープンしてから急成長を続けており、認知度の向上に伴って利用者の来店が年々増加している。

こうした背景の下、神戸物産はソフトバンクなどが企画・開発したソリューションを活用して、「業務スーパー天下茶屋駅前店」で利用者の満足度向上を実現するための取り組みを実施する。また、その取り組みの効果や運用方法を検証し、魅力的な施策を全国の業務スーパーに展開することで、さらなる業務スーパーのファンの獲得と事業の成長を目指す。

「業務スーパー天下茶屋駅前店では、陳列棚の映像をAIカメラで解析し、品切れを自動で検知してスタッフに知らせるシステムを導入する。同システムを導入することで、最適なタイミングで商品の補充が可能になる。また、店舗側は、スタッフの業務量や人件費を削減することが可能で、業務スーパーの強みである「ローコストオペレーション」のさらなる強化を実現する。

レコメンドカートによる商品やレシピの提案イメージ(神戸物産/ソフトバンク)

さらに、利用者が選んだ商品に応じておすすめ商品やレシピを提案する「レコメンドカート」を導入する。ショッピングカート「レコメンドカート」に設置されたタブレットで、利用者が商品のバーコードを読み取ると、ソフトバンクのグループ会社であるヤフーが提供する多様なサービスから得られるビッグデータや神戸物産が保有する実績データなどを基に、AIが導き出したおすすめ商品やレシピをタブレットに表示する。AIによる提案が、利用者の購買意欲にどのように影響するかを検証する。なお、利用者は、タブレットに表示されるQRコードをスマートフォンで読み取ることで、店舗を出た後もおすすめのレシピを確認することが可能だ。

また、バーコードを読み取った商品をカートに入れると、タブレットでカート内の商品を一覧で見ることができ、買い忘れ防止となるほか、その時点の買い物合計金額も一目で確認できる。カートをレジと連携させると、セルフレジとしても利用できるようになるため、利用者はレジに並ぶことなく精算できる。店舗側は、レジ業務を担うスタッフを削減することができ、通常より少人数での店舗運営が可能だ。

さらに、店内に設置したカメラの映像を基に、入店人数やレジの待機人数、精算に掛かる時間などをAIで分析することで、レジの待機人数を予測して、曜日や時間帯ごとのレジの稼働台数やスタッフの配置の判断などに役立てる。適正な台数のレジを稼働させることにより、利用者の待ち時間が削減される。

また、上記以外にも、店内における利用者の動線分析のほか、サイネージでの情報配信やその視聴者の属性分析など、さまざまな取り組みを順次実施する。これらの取り組みにより、業務スーパーをより魅力的な店舗とすることで、利用者の満足度向上を目指す。

New Retail Navi編集部

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