セミセルフレジの効率と確実性を高める精算機指定方式が発明賞受賞(寺岡精工)

2021年5月26日7:00

寺岡精工は、公益社団法人発明協会が主催する令和3年度全国発明表彰において「セミセルフレジの効率と確実性を高める精算機指定方式の発明(特許第5783149 号)』が「発明賞」を受賞したと発表した。

なお、同発明は令和2年度関東地方発明表彰において「中小企業庁長官賞」と「実施功績賞」を受賞している。

近年、スーパーなどの小売店ではさまざまな形態の精算方法が普及している。同発明は店員が登録機で商品についているバーコードをスキャンし商品登録を行い、買物客が精算機で自ら精算のみを行うセミセルフレジに関するものだ。同発明は、店員が登録機で生成した取引データを空き状態の精算機を指定して送信するという方式のもの。

精算装置を示すボタンのイメージ(寺岡精工)

具体的には、登録装置の画面上に精算装置を示すボタンを表示させ、同ボタンを押すと同ボタンに対応する精算装置で買物客が精算処理を行えるように取引データを送信するという方式だ。また、データが送信された使用中の精算装置のボタンと、空き状態または待機中の精算装置のボタンが区別できるように、異なる態様で表示されるようにしたそうだ。

この発明により、買物客は店員から案内された精算機で精算処理だけを行えばよくなったこと、店員はどの精算機が空いているか使用中かを容易に把握できるようになったことから、セミセルフレジの精算効率と確実性が著しく向上しました。その結果、セミセルフレジは、少ない店員数でレジのスピードアップが図れる、現金のやりとりがないので衛生的かつ違算が発生しない、などの利点が評価されたことで、急速に普及が進んだという。

セミセルフレジの実用化当初は、登録機で発行されたレシート用紙(お会計券などと呼ばれる)に印刷された精算のためのバーコードを、買物客が空いている精算機のスキャナで読み取らせ、取引データを登録機から呼び出すという方式をとっていた。しかし、精算のためのバーコードを精算機スキャナで読み取る操作ですら不慣れな買物客が戸惑ってしまうなどの問題点があり、この方式では想定した効率化は達成できなかったそうだ。そこで、バーコードを利用する従来の方式ではない、同発明を開発するに至った。

New Retail Navi編集部

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