東急ハンズでアバター遠隔接客の実用化に向けた実証実験(NTTデータ)

2020年10月16日11:48

NTTデータは、東急ハンズの協力のもと、オペレーターの動きと連動するアバターを介して遠隔から商品を提案するデジタルストアの実証実験を開始すると発表した。2020年6月に実施した1店舗での検証から、今回は3都市5店舗に規模を拡大、専用端末なしで遠隔接客できるように進化させ、2020年10月16日~12月15日まで実施する予定だ。

同実証実験では、東急ハンズ渋谷店、新宿店、池袋店、梅田店、博多店の3都市5店舗にアバター特設ブースを設営し、美容に関する専門知識を持つスタッフや実演販売「ヒント・ショー」専任チームが、利用者の要望にあった商品を案内する。接客コミュニケーションにアバターを介することで、利用者がより気軽かつ安心して買い物できる機会を提供するそうだ。また、接客スタッフの勤務場所を自宅含むさまざまなロケーションに拡大することで、柔軟なスタッフアサインと多様な働き方を実現させるという。

実証実験のイメージ(NTTデータ)

今回、スタッフは本社、店舗のバックヤード、自宅などさまざまなロケーションから接客を行う。同ソリューションで利用する遠隔接客機能(UsideU社の「TimeRep」)は、ウェブブラウザ上で接客操作を実施できるため、必要なアプリケーションがインストールされた専用の機器が不要だ。スタッフは、パソコン・タブレット端末等からより手軽に接客を行うことができるとしている。

また、今回の実験における接客シーン(ビューティ、実演販売)に合わせて、専用のアバターをデザインした。これにより、利用者がより接しやすく、接客コミュニケーションもしやすいシーン作りを行う。また、必要に応じてアバターではなく接客員の実画像にも切り替えられる機能を追加し、より多様な接客シーンに活用できるようになった。

さらに、同ソリューションで利用するAI顔認識機能(サイバーリンク社の「FaceMe」)により、利用者の性別・年齢層や感情を推定したデータ・会話データを、ダッシュボードから簡易に確認することができる。これにより、実際の接客コミュニケーションの内容を実データに基づいて振り返り、良かったこと・悪かったことの把握や、コミュニケーションの改善、さらには良かったコミュニケーション術の組織内展開も容易となる。

NTTデータでは今後、同社の決済ソリューション「CAFIS」との連携などをはじめとするさらなるサービス拡充の検討を行い、販売活動だけではなく、店舗運営全体のリアルとデジタルのシームレスな融合を実現するデジタル店舗の実現を推し進めるという。

New Retail Navi編集部

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